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2026年2月18日

ブログ 不安なときの対処方法 心のしくみを理解し安心をとりもどす

心地よい人間関係に必要な「境界線」③ 健全な境界線を引くには

2026年2月18日

3回シリーズの「境界線」の最終回です。(NLだより579号

前回は、「自分には力がない」という心の状態が、どうして境界線越えを生むのかについて、心のしくみからみてきました。

最終回の今回は、なぜ、そもそも「自分には力がない」という感覚や状態になってしまうのか? その理由を解説するとともに、「自分には力がある」という感覚をどう回復していくのかについて書いていきます。

「自分には力がない」という感覚や状態にさせる理由

私たちは、なぜ、「自分には力がない」という思い(誤解)を持ってしまうのでしょうか?

それは、人生を歩む中で何らかの心の傷を負う経験がきっかけとなっていることが多いのです。その傷を負った場合、自己価値が低まり、小さい私、無力な私という思いが深まっていきます。例えば、幼少期に親が忙しくて十分な愛情を受け取れなかったり、いじめを経験したり、受験や就職などで失敗を味わったりしたとします。それにより寂しさ・恐怖・恥といった感情が生まれます。そして、それらが解消されないまま心の奥に残り続けていると、自分を肯定することが難しくなり、私たちは、無力感や不全感を感じるようになります。そして、「自分には力がないのだ」という思いを、まるで真実かのように信じるようになってしまうのです。

つまり、境界線越えを生む「自分には力がない」という心の状態は、

1)何らかの心の傷を負う
  ↓

2)その経験で体験した感情や感覚が解消されずに残る

  ↓

3)「自分には力がない」と誤解を深めていく、という流れを辿った結果生じているということです。

 

ですから、この「自分には力がない」という誤解を解くためには、

1)きっかけとなった心の傷を見つけ、2)その経験での感情や感覚の解放を行っていけばよい、ということです。

 

この2つのステップを経ることで、「自分には力がない」という思いの真実味が薄れ、「自分の中に力を感じられる私」へと変化していきます。自分の内側に安心感や充足感が戻ってきますので、何かに依存せず、精神的に自立をして、主体的に生きることもできやすくなるのです。そして自分と相手との間の境界線も自ずと健やかなものとなるのです。

 

健全な境界線を引くために

それでは、これらのステップは、具体的にどのようなことをするのでしょうか?

ここでは、そもそもの元となった心の傷にたどり着くための方法をご紹介します。

通常、心の傷は私たちの心の奥深くに潜んでいることが多く、日常の中では気づきにくいので、この方法で「自分には力がない」と信じた理由がわかると、それだけでも自己否定が和らぎ、自分に力が戻ってくる感覚を感じられます。

ちなみに、進めていく際に、頭(思考)で考えるのではなく、体の感覚を丁寧に探ったり、よく感じたりすると、きっかけとなった心の傷や声、感情を捉えやすくなります。

 

①境界線を越える/越えられる場面に遭遇した時にまず気づく

人間関係に疲れてきた時、不調和が生じた時、傷ついた時に、自分の内側で起きている感覚や感情に気づいてみます。

感覚や感情の例として、相手や状況への不満や苛立ち、相手の気持ちや状況を詮索したくなる衝動、踏み込まれたような重たさ、もどかしさやモヤモヤとした違和感といったようなものがあります。

 

②心の中にイメージを思い浮かべる

自分と相手(状況)との関係をイメージして、上下関係になっているか、大小のサイズの違いがあるかを確認する。

 

③そのイメージの中で、自分や相手(状況)はどんな風に見えているかを確認する

例えば、自分は小さく、震えていて、泣いているなど。一方、相手は、岩のように立ちはだかっている、そっぽを向いている、尊大で威圧的に立っているなどです。

 

④イメージの中でそのような姿になっている自分によく集中をして、その自分が感じている感覚を味わう

例えば、胸の辺りがザワザワしているなど、体のどの辺で感じているかを探るとよいです。

 

⑤その感覚からどんな声がするか、何と言っているか、どんな感情を抱いているかを聞いてみる

例えば、「私も不安」とか、「私には無理」とか、「みくびられたようで腹が立つ」とか、「理解されなくて悲しい」などのようなものを引き出してあげるとよいです。

 

⑥そうした声や感情に、何のジャッジなどもせずに優しく寄り添い、受け容れてあげる

 

⑦寄り添う

そうする中で、心の傷の原因となった記憶(経験)が自然と出てくることがあります。たいていは、小さい時の自分がいるはずですので、その子に対して「大丈夫だよ」「よく頑張ったね」などの言葉をかけながら、寄り添ってあげてください。

 

②~⑦を何度も繰り返してやっていくと、①の境界線を越えた/越えられた時に感じた感覚や感情が薄らいでくるはずです。

それでも、どうしても①の感覚や感情が和らがない、⑤の声や感情が探れない、心の傷の原因(記憶)にたどりつかない場合は、心の深層に触れるスタイルのカウンセリングを提供している心理カウンセラーや心理セラピストを利用されるとよいでしょう。(私のセッションでも、普段自分一人では捉えることが難しい領域にある声や感情、記憶(経験)を探ったり、解放することをサポートしています)

 

まとめ

3回にわたり境界線について解説をしてきました。

「健やかな境界線は、『自分には力がある』という心の状態を土台に築かれる」ということを改めて意識して、この心の状態を回復したり、しなやかに保って、互いに心地よく関わり合っていきたいですね。そしてそれは、寛容や協調、創造性に満ちた社会を築くことにも寄与するだろうと思っています。

 

 

 

 

 


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